抗がん剤治療後のカラーがあまり明るくならない理由は?
当店では日々、沢山の抗がん剤治療後のヘアもさせて頂きますが、そんな中で特徴的なのが… 初めてカラーをした際に「カラー剤の色味が明るくならない現象」がたまにあります。今回はその辺りを探ってみました。ちょっと専門的な用語もありますが、お付き合い下さいね。

💡【抗がん剤治療後の髪が明るくなりにくい理由】
-目次-
① 新しく生えてきた髪の構造そのものが変化している
治療後の新生毛(=抗がん剤後に再び生えてきた髪)は、多くの場合で以下のような特徴があります:
• 毛髪内部の空洞(メデュラ)が少ない or 不在
• キューティクルが整っておらず、カラー剤の浸透が不均一
• 全体的に“しっかり硬く・密な構造”になっていることが多い
そのため、アルカリカラーの反応が弱く出る、もしくは均等に染まらないといった状態になります。
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② 残留成分(抗がん剤や解毒代謝物質)による影響の可能性も
抗がん剤は肝臓で代謝され、体外に排出されますが、その一部が毛母細胞や毛髪内部に影響を与えることがあります。
✅ メラニン形成の抑制(=白髪になりやすい)
✅ 薬剤が髪のタンパク質に変性をもたらす → カラー剤との反応に影響する可能性
ただし、**「薬剤が髪に残っているからカラーが染まらない」**というよりも、
**「抗がん剤の影響で、髪の性質が根本的に変わっている」**と理解する方がより正確です。
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③ 頭皮環境・栄養状態の回復が不十分
抗がん剤治療のあと、頭皮や毛根はダメージを受けており、正常な毛髪をつくる力が弱くなっている可能性もあります。
特に以下のような要素が絡むと、発色しづらくなります:
• 角化異常(毛髪の未成熟)
• 亜鉛・鉄・たんぱく質などの不足
• 自律神経の乱れによる血流低下
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✅【Visagelocaでの対応アドバイス】
1. 事前に「髪質チェック」と「カウンセリング」
→ 新生毛か、以前の髪かによって反応が変わります。
2. 低アルカリ・低刺激のカラー剤を使用
→ ノンジアミンカラーや酸性カラーとの相性も確認。初回は地肌に付けない。
3. 必要に応じてプレトリートメント(CMC補給)
→ 浸透をサポートして発色のムラを防ぎます。
4. 主治医の判断でご相談
→発毛1年後よりカラーは許されるケースが多いです。(主治医の判断)
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🧠【まとめ】
「明るくなりにくい」のは、
髪質が一時的に変化している結果であり、
「カラー剤の問題」でも「残留薬剤だけのせい」でもありません。
正しいケアとタイミングを見極めることで、発色しやすい髪へと少しずつ戻っていく方が多くいらっしゃいます。
なので、ご希望の色味よりもカラー剤を少し明るめの設定にするなどしています。
ご注意:個人差がかなりありますのでご希望通りにならない場合もありますのでご了承の程よろしくお願いします🙇
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