2016

01/20

Wed

カラダのこと・・・生姜について

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生姜について

女性には強い味方の生姜・・・冬場、しょうが湯などで愛飲させている方も多いのでは・・・

空前の生姜ブームが起こってから、すっかり「冷え取り」「ダイエット」にと、生活の中に定着した生姜。永谷園「『冷え知らず』さんの生姜シリーズ」は10億円以上の売り上げをたたき出しているんだとか。

 

生姜はショウガ科ショウガ属の多年草で分類としては「野菜」に含まれます。薬味としての利用が多いので当サイトでは薬味・スパイスの分類に入れております。

栽培・収穫方法により、チューブ生姜など薬味に良く利用されている根生姜、主に関東で甘酢漬けなどに使われる野菜感覚の葉生姜、魚介類の添え物の「はじかみ」として使われる芽生姜の3つに分かれます。また大きさによって大生姜・中生姜・小生姜と分けられることもあります。

 

生姜は世界中で古くから使われており、約1300種の種類があると言われています。

生臭さを消す薬味からジンジャーエールやジンジャークッキーまでと用途が広く、合わないものを探すのが難しい位、どんな食材とも合わせやすく使いやすいのも生姜の魅力です。

 

生姜の歴史

生姜の原産地はインドなどの熱帯アジア。肉や魚の防腐剤や医薬品として利用されており、紀元前300年以前に既に栽培が始っていたと考えられています。紀元前100年頃には乾ショウガとしてヨーロッパや中国にも輸出されており、調味料よりも医薬品という位置づけであったようです。

中国を経由して2~3世紀頃日本へも伝来し、奈良時代には栽培が行われるようになります。古事記にも生姜の記載があり、日本最古のスパイスが生姜であったのではという話もあります。

 

日本へ伝来した当初は山椒やわさびなどとまとめて「はじかみ(根の辛いもの)」と呼ばれており、区別するために「くれのはじかみ」(呉の薑=中国(呉の国)から伝わったはじかみ)と表すこともありました。

生姜という呼び方が定着したのは江戸自体に入ってからのこと。食用として一般庶民が口にできるようになったのも同様に江戸時代以降であると考えられています。

 

生姜の主な栄養効果

 

生姜は栄養素的には約90%が水分でビタミン類とカリウムを微量に含んでいます。薬味として利用することが多いため一回に摂取する量もそれほど大した量にはなりませんから栄養価という面では優れているとは言えません。

生姜の健康効果は生姜3大成分と言われる「ジンゲロール」「ジンゲロン」「ショウガオール」によるものがほとんどです。

 

【ジンゲロール】

 

生の生姜に含まれている、辛さの元となる成分がジンゲロールです。

ジンゲロールは血管を拡張させて血の巡りをよくすることで、体の深部にある熱を手足など末端に広げて体に熱が行き渡るようしてくれますから末端冷え性の改善に役立ってくれます。血行不良からくる肩こりや頭痛の改善や、血液循環の改善から水分の排出の促進(むくみの改善)も期待できると考えられます。

 

また殺菌作用・免疫力を高める作用・胃腸を整える働きがあり、風邪のひきはじめや食欲不振、疲労感が抜けない時などに体を整えてくれるとされています。お寿司の付け合せに使われるのも、殺菌作用で食中毒などを防ぐとともに、生もので体を冷やすことを防ぐという役割もあるそうです。

 

【ジンゲロン】

 

ジンゲロンは加熱したり乾燥することでジンゲロールが変化して出来ます。

 

ジンゲロンには強力な発汗作用があり、生姜を摂取してすぐ一瞬カッと体が熱く感じるのはジンゲロンの作用。血行の促進効果や体を温める効果も認められており、強い抗酸化作用によってお肌や体組織の老化を予防してくれるという点でも注目されています。抗酸化作用+体が温まって血行が良くなることで体全体の機能向上が期待できます。

 

また近年の研究では脂肪分解作用があるという可能性が指摘されており、ラットによる実験では脂肪分解作用が増強されたという報告もされています。血行促進作用などと合わせてダイエットの強い味方となってくれそうです。

 

【ショウガオール】

 

ショウガオールも乾燥・加熱によってジンゲロールが変化することで出来る成分です。

 

ショウガオールでは生理痛をはじめとする「痛み」の原因となるプロスタグランジンというホルモンの働きを抑えてくれる作用が分かっています。プロスタグランジンのバランスによって血管が収縮したり、血行不良を起こすことがあります。ショウガオールを摂取してプロスタグランジンを抑えることで血行不良や冷えの改善に繋がります。

またショウガオールは胃腸の壁を直接刺激することで血流を高め、深部の熱を作り出してくれると言われています。体温自体が低い冷え症の方の場合は加熱した生姜を摂ったほうが良いと言われるのはこのためです。

 

ショウガオールにも強い高酸化作用があり、生のまま(ジンゲロール)の時よりも抗酸化作用・消炎効果・鎮痛効果・抗腫瘍効果が高くなることが実験によって分かっています。もちろん血行改善・新陳代謝促進などと合わせてシワやシミなど美容面の老化防止にも役立ちますよ。

 

 

生姜調理ポイント・注意

 

風邪のひき始めなどはぬるめのお湯で生姜湯をつくるとショウガオールの体を温める効果とジンゲロールの免疫力アップ効果両方を得ることができます。

 

ジンゲロールは揮発性の成分のため、長時間放置してしまうと効果が低下します。

 

生姜が効果を発揮する「お悩み」

  • 冷え性の改善
  • アンチエイジング
  • むくみの解消
  • ダイエットサポート
  • 風邪の予防・緩和
  • 胃腸の調子を整えたい

 

効果アップが期待出来る生姜の食べ合わせ

  • ショウガ+青じそ・ニンニク・ネギ・牛乳ー

⇒血行促進効果

  • ショウガ+ハチミツ・羊肉・レンコン・シナモン

⇒冷え性の予防・改善

  • ショウガ+ねぎ・人参・豆乳・レタス

⇒老化防止

  • ショウガ+レモン・みかん・いちご・ヨーグルト

⇒美肌効果

  • ショウガ+おから・油揚げ・豚肉

⇒疲労回復効果

 

生姜の民間療法・まめ知識

 

生姜を擦りおろして火にかけて作った生姜湯をタオルやガーゼに浸して湿布にすると痛み・咳に対して効果がある。アトピー性皮膚炎の治癒を早める効果もある(※刺激が強いのでパッチテストを行ってください)

 

生姜の絞り汁に含まれる酵素にはタンパク質凝固作用があるため、中国では牛乳に生姜の絞り汁を入れるて柔めの牛乳プリンを作る(薑撞牛奶)

 

生姜の甘酢漬けがお寿司屋さんで「ガリ」とよばれるのは、食べるとガリッと音がすることが由来と言われています。

 

色々な知識を増やして生活や体質改善に役立てたいですね!!

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